百日咳の患者数が急増中!乳児は突然死の可能性も…医師が緊急警鐘
本来ならば、諸外国が行っているように、小学校にあがる前に、免疫効果をさらに高めるためワクチンの追加接種をするのが望ましい。日本小児科学会でも就学前にワクチン接種を推奨していますが、任意接種で全額自己負担であることなどを理由に接種を控える人がほとんどです」
諸外国では妊婦や小児への百日咳ワクチンの接種を公費で行う国も多い。現在世界で普及しているワクチンは主に日本で開発されたものだが、自国で十分に活用されていないのが現状なのだ。
「日本では“赤ちゃんの命を守る”ことがおろそかにされていると言わざるをえないのです」
子供を守る――、そのために私たち大人が取るべき行動には、どんなことがあるのだろうか?
「主な感染経路は飛沫感染や接触感染。感染対策ではコロナと同じくマスク着用、アルコール消毒など基本的なことで十分。風邪の症状がある人は、職場や学校、人混みにはむやみに行かないことが、自分のためにも、ほかの人にうつさないためにも大切。まして赤ちゃんに近づくことは避けてください。身近に乳児がいる家庭、これから生まれてくる家族は、ワクチン接種を検討してもいいでしょう」
子供たちの命を危険にさらすリスクを少しでも抑える。
そのために、一人一人が百日咳に対する意識を高めていくことが大切だ。