相手のことを自分のこととして感じられることが、愛。上白石萌音が語る「理想の夫婦像」
しかも、こんなに美しくて温かいお話が実話であるということが、とてもうれしかったです。
――上白石さんは青年期の皎子さんを演じられていましたが、皎子さんのことをどのような女性だと感じましたか?
皎子さんの職業はタイピストで、普段から言葉を扱っているお仕事をなさっているからなのかもしれませんが、言葉選びがすごくすてきな女性だなと思いました。難しいことや、奇をてらったことを言わず、相手のことを思いながらも、自分の心とも照らし合わせて、シンプルで温かい言葉を選んで手渡す方なんだなと。
――確かに、皎子さんの言葉からは、常に相手を思う気持ちと温かさを感じました。
言葉の選び方って、その人を映すと思うんです。皎子さんの言葉は、私の心も照らしてくれているような気がしていたので、皎子さんを演じることで言えたうれしい言葉ばかりでした。それと同時に、保さんにとっても大切な言葉がたくさんあるんだなということも感じていました。
――演じていた中で、一番すてきだなと思った言葉はなんですか?
保さんが、本当は自分が読み書きができないということを皎子さんに打ち明けた後に、保さんに向かって言う「つらかったなぁ」