【展示レポート】『LOVE ファッション−私を着がえるとき』 ファッション×アート×文学から、私たち人間の「装うこと」への願望や情熱を考察する
母親になりきらなければというプレッシャーと、自分はどこにいるのかというアイデンティティー・クライシスとの葛藤、そのような境地に追い込む社会について考えざるを得ない。

松川朋奈の絵画作品

プレス内覧会で作品を解説する松川朋奈
Chapter 4.「自由になりたい」では、ヴァージニア・ウルフが1928年に出版した『オーランドー』に触発された川久保玲の2020年春夏コレクションと、彼女が衣装デザインを手掛けたウィーン国立歌劇場創立150周年を記念したオペラ『オーランドー』の記録映像を展示。性別や身分を変転し400年の時を超えて生きた物語と、時代の流行ではなく、時代を超えていくものをつくりたいという川久保のポリシーが響き合う。

オペラ《オーランドー》の記録映像と、コム・デ・ギャルソン/川久保玲 2020年春夏コレクション
最後にChapter 5.「我を忘れたい」では、違う私になりたいという願望に最大限に応える現代デザイナーの作品が集結。熊や獅子舞をモチーフとしたヨシオクボのオーガンジーのオーバードレス、ギフトボックスをイメージしたトモ・コイズミのリボンのドレスなど日本の気鋭のデザイナーも紹介。