【展示レポート】『LOVE ファッション−私を着がえるとき』 ファッション×アート×文学から、私たち人間の「装うこと」への願望や情熱を考察する
『LOVE ファッション−私を着がえるとき』が、東京オペラシティアートギャラリーで6月22日まで開催中だ。『ドレス・コード? ──着る人たちのゲーム』(2019-2020年)に次ぐ、京都服飾文化研究所財団(以下KCI)とのコラボレーション展で、このときと同様に京都国立近代美術館、熊本市現代美術館からの巡回となる。
KCIでは、西欧の服飾やその文献資料を体系的に収集・保存・調査するとともに、私たちが着ている服や着ている私たちについても展覧会を通じて考察してきた。今回の展覧会では、KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションを中心に、人間の根源的な欲望やアイデンティティーをテーマとするアート作品とともに構成。装いにまつわる情熱や願望を「LOVE」と捉え、着ることの意味を浮き彫りにする。展示は5つのチャプターからなり、村田沙耶香、岡崎京子ら文学作品からの言葉も楽しめる。
同展は、写真と見まがう横山奈美の絵画作品《LOVE》で幕を開ける。「LOVE」とは何か、思えば抽象的で奥が深い言葉だ。
横山は自分で文字を書き、それをネオンサイン化して油彩画に描き、セルフポートレートとして捉えた。